あたしは会社の不良債権…?

どーして、どーして、あたしばかりがこんな目に遭わなくちゃならないのぉ!!
あの頃の私は毎日がムンクの叫びだった。(顔まで似てきて超やばかった…)

地方の国立大学を卒業して、前途洋々の気分で入社した大手都市銀行。
研修期間中でありながらもいきなりのオン・ザ・ジョブ・トレーニング。
その日からほとんど毎日午前0時前に帰宅したことは1日もなし…。
しかも早朝ミーティングやら何やらで、うちのチームだけは
なぜか午前7時には出社しなければならず(あの上司はニワトリか?)
もともとが低血圧で貧血気味の私には会社に行くだけでもうフラフラ。
なのに同じ立場で入社した同期の●●さん(女性)は、
朝一番から大きな声でバンバン発言、きびきび、シャキシャキ。
(たぶんあの子早死にすると思う…)
おかげでいつも彼女と比べられて、私はもうのっけから日陰の身…。
新商品が出たと行っては休日返上の営業活動。
これが総合職銀行員のあたりまえって言われちゃえばそうなのかもしれない。
でも、いくら高い給料もらっても、満足にランチも摂れない超絶業務の山。
同期の男の子がミスするとフォローしてあげたり、
その後にきっちり細かなノウハウを教えているのに
私がミスすると「だから、女は困るんだよ…」ってか???
ざけんじゃないわよ!!!
おまけに一般職の先輩女子社員から
は何かにつけてちくちくイヤミを言われるし。

こんな日々を過ごしているうちに
わずか入社1年未満にして私は体を壊してしまった。
「あぁ、もうこのままじゃ仕事なんか続けられない…」
入院中のベッドに横たわっていても一人でいると
くやしさでつい涙ぐんでしまう自分がいた。

田舎の両親にも「仕事がキツいからもう仕事辞めたい…」なんて
口が裂けても言えやしない。
一流大手銀行の女性総合職なんて男が作り上げた
いまだ正されない偏見の中に作られた針のムシロのようなシステムだと思う。
だって男子社員には総合職なんて言わないじゃん。そこからしてヘン!
このままじゃ、あたしは体も心もボロボロになって潰される。
数年後には“使えない女”のレッテルを貼られて
どっか遠くの支店に飛ばされて、無言の退職勧告をされるに決まってる。
大手の銀行員にとって病気や離婚、スキャンダルは命取りって
聞いていたけど、こんなに早く自分がその落とし穴に落ちちゃうなんて
思ってもみなかった…。
将来の夢と希望に燃えて受験勉強した日々。
大学でゼミの仲間と夜中まで議論してきたあの熱い思いは何だったんだろう。

そんなうちひしがれていた入院中のある日、
その人は突然お見舞いにやってきた。